卵巣のう腫
卵巣のう腫は9割が良性であるといわれています。知らぬ間に卵巣のう腫が大きくなってしまうと、卵巣を全摘出しなければならないこともあります。自覚症状はほとんどないため、早期発見のため、定期的に超音波検査を受けることをおすすめします。
卵巣のう腫は、中身によって次の4種類に分けられます。
漿液性のう腫
思春期以降、20〜30代の女性におこりやすく、卵巣腫瘍全体の15〜25%を占めます。良性の腫瘍で、漿液という卵巣から分泌されるさらさらした水のような、黄色っぽい液体がたまります。粘液性のう腫
20〜30代の女性に多い、人体の元となる、胚細胞にできるもので、歯や毛髪などの組織が含まれたドロドロした物質がたまります。卵巣腫瘍全体の15〜25%を占め、両方の卵巣に生じることもあります。再発しやすいのも特徴です。類皮嚢腫・奇形腫とも言います。35歳以上の場合、約1%の確率でがん化することもあります。
皮様性のう腫
思春期以降、20〜30代の女性におこりやすく、卵巣腫瘍全体の15〜25%を占めます。良性の腫瘍で、漿液という卵巣から分泌されるさらさらした水のような、黄色っぽい液体がたまります。チョコレートのう腫
20〜30代の女性に多くみられます。症状は、重い月経痛、過多月経、腰痛、腹痛などです。子宮内膜症が卵巣内に発症したもので、卵巣にできた内膜はうまく排出されずに卵巣内に溜まってしまい、月経の度に出血した血液がたまり、のう腫が作られます。チョコレート嚢腫のほとんどは良性腫瘍ですが、がん化することもあります。また、破裂して急性腹症を発症したり、不妊の原因になったりもします。症状
検査
治療
(チョコレートのう腫の場合は、子宮内膜の増殖を抑制する内服薬で治療をする場合もあります。)
手術は、主に腹腔鏡下手術で、原則として嚢腫部分のみを取り除きます。もし片方を全摘出する場合でも、卵巣は2つあるので、1つ残れば妊娠は可能です。
悪性の可能性が否定できない場合や腹腔内で癒着している場合、手術の既往歴がある場合は開腹手術になります。7cm以上ののう腫は、茎捻転のおそれがあるため、原則として摘出する場合があります。捻転や破裂がおこると、腹痛や吐き気などの症状があらわれ、ひどい場合はショックで意識不明に陥ることもあり、この場合、緊急手術が必要となります。
妊娠の可能性がある人、妊活中の人の場合は、6㎝以上の大きさで妊娠後にねじれることもあるため、手術で取り除いておく必要があります。
卵巣のう腫は、大きくなってねじれて痛みが生じる場合を除いて、自覚症状はほとんどありません。何も症状がなくても、年に1度は婦人科の超音波検査を受けて、ご自身の子宮や卵巣の状態をチェックすることをおすすめします。
当院では、いつでも超音波検査を受けて頂けます。
検査の所要時間はたったの数分です。
検査の結果は、産婦人科専門医の説明と共にリアルタイムにご確認頂けます。
思い立った時にいつでもご来院くださいね。