梅毒
性行為で粘膜や皮膚の小さな傷から感染します。
感染すると、性器や肛門、口にしこりができたり、全身に発疹が現れたりしますが、一旦症状が消えるため、治ったと間違われ発見が遅れる危険があります。
検査や治療が遅れたり、治療せずに放置したりすると脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。
また、梅毒はHIVの感染リスクを高める可能性があります。
統計的な話ですが、直近の2023年は、1999年に感染症法に基づく調査が始まって以降、最も多い報告数(3,701件)となりました。男性は20歳代〜50歳代、女性は20歳代で多くの患者が報告されています。
菌を排出している感染者との粘膜や皮膚の接触を伴うセックス(膣性交、肛門性交、オーラルセックス)などで感染します。妊娠中に感染すると、お腹の赤ちゃんにも感染する可能性があります。
梅毒は、感染しても症状が出ない人もいます。検査を受けないと感染したかどうかは分かりません。気になることがある場合、心配な場合は、必ず検査を受けましょう。
症状
梅毒は、感染したあと、経過した期間によって、症状の出る場所や内容が異なります。
第1期
感染後約1か月で、感染した場所(性器、肛門、口など)に、できもの、しこり、ただれなどができます。治療をしなくても症状は自然に軽快・消失しますが、ひそかに病気は進行します。
第2期
感染後3か月程度経つと、手のひらや足の裏など全身に発疹ができます。治療しなくても、数週間から数か月で症状は消えます。
晩期
感染後、数年程度経過すると、ゴム腫と呼ばれるゴムのような腫瘤(しこり)が皮膚や筋肉、骨などに出現し、周囲の組織を破壊してしまうことがあります。
また大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)などが生じる心血管梅毒や、精神症状や認知機能の低下などを伴う進行麻痺、歩行障害などを伴う脊髄癆(せきずいろう)がみられることもあります。
現在では、抗菌薬の普及などから、晩期顕性梅毒はまれであるといわれています。
また大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)などが生じる心血管梅毒や、精神症状や認知機能の低下などを伴う進行麻痺、歩行障害などを伴う脊髄癆(せきずいろう)がみられることもあります。
現在では、抗菌薬の普及などから、晩期顕性梅毒はまれであるといわれています。
先天梅毒
妊娠している人が梅毒にかかると、胎盤を通して胎児に感染し、流産、死産となったり、子が梅毒にかかった状態で生まれる先天梅毒となることがあります。
感染した妊婦への適切な抗菌薬治療によって、母子感染するリスクを下げることができます。
感染した妊婦への適切な抗菌薬治療によって、母子感染するリスクを下げることができます。
検査
一般的にはトレポネーマ検査と非トレポネーマ検査の2種類の検査を行います。 トレポネーマ検査(TPHA)は梅毒に一度感染すると終生陽性になります。
非トレポネーマ検査(RPR)は現在感染があるかどうかを調べる検査です。
治療
ペニシリンを用いた治療を開始した24時間以内に発熱や頭痛などの症状が現れるようなことがありますが、これらは菌が破壊されている反応によるものです。症状がひどい場合には対症療法を用いますが、一時的なものなので1日ほどで改善されていきます。
治療後、再び採血を行い、治療効果判定を行います。
梅毒は一度治癒した場合でも場合でも再燃する可能性のあるる疾患です。
治癒後も定期的に血液検査でフォローアップすることが重要です。
心配なこと、質問などがありましたら、いつでもご相談くださいね。